ステッピングモーターやACサーボモーターをパルス信号で制御する場合に必要な計算式を説明します。
運転パターン
パルス速度での運転パターンとしてステッピングモーターの場合、通常は左の加減速運転のパターンですが、運転速度が低速で、負荷の慣性モーメントが小さい場合には右図のような自起動運転が可能になります。
- f1
- : 起動パルス速度[Hz]
- f2
- : 運転パルス速度[Hz]
- A
- : 動作パルス数
- t0
- : 位置決め時間[s]
- t1
- : 加速(減速)時間[s]
動作パルス数A[パルス]の計算式
動作パルス数とはワークをA点からB点へ移動させる場合、モーターが回転しなければならない角度をパルス信号の数で表したものです。
- l
- : A点からB点への移動量[m]
- lrev
- : モーター1回転当たりの移動量[m/rev]
- ΘS
- : ステップ角度[°]
運転パルス速度f2[Hz]の計算式
運転パルス速度は動作パルス数と位置決め時間および加速(減速)時間から求めることができます。
①加減速運転の場合
加速(減速)時間をどの程度にするかが重要なポイントになりますが、加速トルクや加減速レートとの兼ね合いもありますので簡単に決定することができません。
そこで、計算当初は目安として位置決め時間の25%程度に設定して計算します。(最終的には調整が必要です。)
そこで、計算当初は目安として位置決め時間の25%程度に設定して計算します。(最終的には調整が必要です。)
②自起動運転の場合
加減速レートTR[ms/kHz]の計算式
加減速レートは当社コントローラで使用している設定値です。
パルス速度の加速の度合いを表したもので、以下の計算式で算出されます。
パルス速度の加速の度合いを表したもので、以下の計算式で算出されます。
・パルス速度はフルステップ換算で計算してください。
・ここでは速度の単位を[kHz]で、時間を[ms]で計算します。
・ここでは速度の単位を[kHz]で、時間を[ms]で計算します。
運転パルス速度f2[Hz]から運転速度NM[r/min]への換算式
負荷トルクの計算
こちらの計算式をご参照ください。
加速トルクTa[N・m]の計算式
モーターの回転速度を変化させるときは、必ず加速トルクあるいは減速トルクが必要になります。
どのモーターにおいても加速トルクの基本式は同じですが、ステッピングモーターの加速トルクをパルス速度で計算する場合は、下記のようになります。
どのモーターにおいても加速トルクの基本式は同じですが、ステッピングモーターの加速トルクをパルス速度で計算する場合は、下記のようになります。
〈すべてのモーターに共通の基本式〉
- J0
- : ローター慣性モーメント[kg·m2]
- JL
- : 全負荷慣性モーメント[kg·m2]
- NM
- : 運転速度[r/min]
- t1
- : 加速(減速)時間[s]
- i
- : 減速比
〈ステッピングモーターの加速トルクをパルス速度で計算する場合〉
①加減速運転の場合
②自起動運転の場合
必要トルクTM[N・m]の計算式
必要トルクは負荷トルクと加速トルクの和に安全率を乗じたものです。
- TM
- : 必要トルク[N·m]
- TL
- : 負荷トルク[N·m]
- Ta
- : 加速トルク[N·m]
- Sf
- : 安全率
実効負荷トルクTrms[N・m]の計算式
実効負荷トルクはACサーボモーターとブラシレスモーター/BXシリーズを選定するときに計算します。
モーターに要求されるトルクが時間とともに変化する場合、実効負荷トルクを計算し、使用できるかどうかの判断をおこないます。
短サイクル運転で加速減速が頻繁におこなわれるような運転パターンの場合は、特に重要になってきます。
モーターに要求されるトルクが時間とともに変化する場合、実効負荷トルクを計算し、使用できるかどうかの判断をおこないます。
短サイクル運転で加速減速が頻繁におこなわれるような運転パターンの場合は、特に重要になってきます。
コメント
コメントを投稿